Interview no.89 unit-if




Unit-IFとは、どのような劇団ですか?

2005年5月に横浜市立大学演劇研究部の現役や出身者を中心に旗揚げして以降、年に1回のペースですが公演を打ち続けています。
 


「de zeppar(デ ズッパ)」という演劇スタイルとは何ですか?

旗揚げ以降、unit-IFが追求し続けている演劇スタイルです。その名の通り、役者が「出ずっぱり」!全ての役者が一度もはけません。基本的には素舞台で、物語に登場しない役の役者は舞台の「物」や「背景」を演じます。椅子とか机とか自動改札機とか…。 一見奇妙に見えるかもしれませんが、ヒトの脳の働きはすごいもので、一度「物」だと思えば案外気にならずに、物語を楽しめちゃうんですよ。それに、さっきまで「物」だと思っていたものが、再び登場人物として動き出すときの違和感や意識のズレを楽しんでいただければと思っています。
 


どのような作品を目指していますか? 

見て楽しい、聞いて楽しい、物語も楽しいお芝居を目指しています。欲張り(笑)。de zeppar演劇も見て楽しんでもらう一環として追及しています。 物語としては、自分の幸せを懸命に追い求めているのだけど、世界や社会の不条理に翻弄されてしまう。それでも幸せを探して、それに向かってもがく人間の様を、ファンタジーや笑いを通して描きたいと思っています。




「unit-IF」という名前に込めた思いは?

自分の可能性を大事にしたい!って思いですね。 「何かしたい!」と思ったときに、すぐに諦めたりしないで、自分に向き合ってあげたいんです。そんな全てやりたいようにやれるわけじゃないんだけど、我慢し続けていたら自分が死んでしまう気がして。一歩踏み出せた後でも、「自分は本当にどう生きたいのか?」に向き合ってあげつづけたいんです。 歳を重ねるごとに、どんどん自分の可能性は失われていくわけで。一度失った可能性はすぐには取り戻せないわけで。そうして、自分の可能性はどんどん小さくなっていく。 自分と向き合い続けるためには、やりたいことをやり続けていくためには、 今は無理でもいつかやれると信じてその可能性を捨てないことが大切なんじゃないかと思ったのです。 “possibility”が「可能性」の英訳ですが、そう思ったとき、それを”IF”と書きたいと思ったのです。 Image the First stage! 自分を見つめ、やりたいことを探し、それを実行し続けるところに、その人の「可能性」があるのではないかと思います。 「もし、あのとき、ああしていたら・・・」と決して思うことのないように、 今の自分をちゃんとみつめて進んでいきたい、そういう思いを込めて、劇団にこの名前をつけました。