演劇レーベルBö-tanz」の制作部にお話を伺いました!


 失礼な質問ですが、劇団名「演劇レーベルBö-tanz」の<Bö-tanz>って、なんてお読みするんですか?

 よく聞かれる質問(笑)ですが、「ぼー・たんつ」と極めて平易に発音しちゃって下さい。「o」の上にドイツ語特有のウムラウト(上のてんてん)がありますので、「ぼー」ぢゃなくて「べー」なんじゃないですか? ——なんてこと言われますけど、この「てんてん」は発音上無視して頂いて一向に構いません(って、結構いい加減で、すみません)。最初に音(おん)があって、それがドイツ語っぽかったので、ドイツ語の単語を当てはめてみようとしたのですが、ドイツ語には「Bo」という単語はなく「Bö」しかなかったので、仕方なくそう表記せざるを得なかったと言うのが事実です。因みに、ドイツ語での意味は「疾風-舞踏」となります。日本語訳してしまうと、かつてどこかで聞いたことのある「劇団名」を彷彿とさせますが、それは単なる偶然です。

劇団の結成はいつですか?

 
それが結構古いんですよ。1989年に結成して、旗揚げ公演が1990年です。まあ、20年を超えていますね。とは言うものの、旗揚げ当時と演出家も変わっていますし、旗揚げ時とは「同じ劇団」とは言えないのかも知れません。旗揚げから一貫として残られているのは「座長(高橋彰規)」のみですし…… 現在のメンバーになって安定したのは、ここ7,8年といったところですね。

一言で言って、どのような作風の劇団なのですか?

 
90年代の後半から2000年代の中盤までは、ハードSFというか、サイバーパンクものを上演していました。それが一つの売りにもなっていて、結構コアなお客様が来場していましたね。まあ、最近でも度々「SFもの」を再演したりもしています(2009年「天狼新星」、第21回池袋演劇祭 アゼリア賞受賞)。劇団員全員がこの手の話、好きですから。2006年からは、「猟奇的クライム・サスペンス」の方向に走り、「七つの大罪シリーズ」と銘打って<麻薬取締官>を中心とした物語で「覚醒剤や麻薬の密売」とか、「殺人ビデオ」とか、「タンカー爆破」とか、「高層ビルからの狙撃」とか、「殺人カビを使ったバイオテロ」とか<超えぐい話>をスタイリッシュ、且つリリカルに描くようになりました。まあ、<七つの大罪>と言うぐらいですから、7つの連作になっています。2011年時点で5作目までが上演されており、2012年にはファイナル(7作目)までこぎ着ける予定になっています(←希望的観測)。





脚本のはなださとしさんは科学者との話を小耳に挟んだのですが……

 
私も夕刊フジのピンスポの劇団紹介記事(http://202.86.58.48/entertainment/ent-news/news/20110301/enn1103011633018-n1.htm)で、その話を読んでびっくりしました(←うそ)。よくは分からないのですが、博士号を持っているとの噂もあり、つくばの「とある研究所」で働いているらしいですね。本人自身は「微生物学者だ」と宣っていますが、どこまで信じて良いのやら…… とはいうものの、「理系の劇作家」というのは劇団界では少ないような気がしますので、そんな意味では、はなださとしは<レアな劇作家>と言えるのかも知れませんね。SF作品での科学的背景への著しいこだわり、そしてクライム・ストーリーにおける科学捜査や薬物分析に対する偏執的なまでの書き込み——ある意味、理系であるが故の作風と言えるのかも知れません。とにかく脚本中の台詞には「聞いたこともない横文字」や「噛みそうになる科学技術用語」がてんこ盛りで、それを憶えなければならない役者は毎回泣いていると聞いています。なお、公演台本は「はなださとしの黒い地下室」(http://web.me.com/shanada/mygloomycrypt/)でダウンロード可能です。

劇団に双子がいるとのことですが……

 
更埴市が産んだ<奇跡のビューティ・クローン>、市川姉妹のことですね? そうです、一卵性双生児です。「天狼新星」というSF作品(連作)で双子の出演がどうしても必要となり、お客さんだった彼女等を半ば強引に劇団に引き入れたとのことです。そのSF作品の上演では、人工的に有機合成されたかのような<人間離れした印象>を観客の皆様に与えたかも知れませんが、本人達は至って普通の女の子達です。その他の作品では、双子としてではなく、別々のキャラ立てで舞台に登場しています。

ほとんどの作品に銃火器が登場するようですが……

 
そのようですね。拳銃に留まらず、自動小銃や狙撃銃まで登場します。劇団内に<相当のガンマニア・軍事ヲタ>がいると考えて良さそうです。この劇団は、銃ばかりではなく、爆発も大好きですね。コンポジションC4(プラスチック爆弾)でドッカーンとか、ANFO(硝安油剤爆薬)で首都高の上でトラックの爆破を試みたり、テルミット反応を誘発して鉄製のロックボルトを焼き切り地下室から脱出したりもしています(と、力ない笑い)





劇中で影像を使っていることが特徴(ウリ)とのことですが……

 
上演中に影像を使うことがしばしばあります。高輝度のプロジェクターで投影される形になりますが、写される影像(動画)は芝居の進行と密接に関係したものです。投影タイミング等も厳格に計算されており、0.5秒のズレも許されないというもののようです(ほんとかなぁ?)。どんな影像を投影しているかは、演劇ポータルサイトCoRichの当劇団サイト(http://stage.corich.jp/troupe_detail.php?troupe_id=1050)の「最近の動画」で紹介されています。お暇でしたら、一度訪れてみてください。

演劇レーベルBö-tanzの今後は?

 
先ずは<七つの大罪シリーズ>を完結させることですね。その先はハードSFに戻るのか、それとも別の方向へとずれていくのか? 劇団の今後は、未だ「霧の中」と言ったところですが、きっと何か面白いネタで勝負を仕掛けていくのだと思います。出来れば、当劇団を末永く見守ってやってください。っていうか、見守るだけぢゃなく、公演を観に来てください。絶対面白いから!

インタビューありがとうございました!





■ 演劇レーベルBö-tanz
『Bonehead -ボーンヘッド[失策]-』 
会場/d-倉庫


【タイムテーブル】
2011年12
1日(木)
12日(金)
13日(土)
4日(日)
5日(月)
14:00
19:00

【チケット料金】
前売¥3,000 当日¥3,500 (日時指定・全席自由)

【チケット取り扱い・お問い合わせ】

演劇レーベルBö-tanz e-mail:info@bo-tanz.org

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