Special Interview Vol.039
SCRATCH BUILD インタビュー
SCRATCH BUILD インタビュー





























★「SCRATCH BUILD」脚本のマミヤ龍三さんと演出の大岡伸次さんに伺いました。

Q、今回の公演を企画したきっかけは?

大岡 もう10年近く在籍している自分の劇団「tea for two」が “喫茶店の隣の席の会話が聞こえて来るような距離感による、少人数の会話劇”をやる劇団なんですが、元々今でも毎週殺陣の稽古を欠かさないくらいの活劇好きで、この時期がちょうど劇団の活動が小休止するタイミングだったので、たまには大暴れする発散系の芝居もやりたいなあと考えていたんです。
 そんな折、たまたま脚本のマミヤと飲む機会があって、そういう話をしたら「大岡さん、実は僕今こんなの書いてるんですけど…」と今回の原案を見せられて、じゃあ一緒にやろうぜ、と。別にその話をするために会ったわけでもなんでもないんですよ?どんだけ用意いいんだと(笑)

Q、団体名「SCRATCH BUILD」
タイトル『KARASUBULLET~カラスバレット~』
とはどんな意味ですか?

大岡 団体名「SCRATCH BUILD」ってのは模型用語なんですよ。既製品として発売されてないアイテムをいろんな素材を使ってゼロから作り起こすことを言うんです。今回は戦国物で、モチーフがあるわけですから厳密には意味が違うんですけど、私とマミヤとの合同プロデュースと言うことで、二人の芝居以外の共通の趣味に関わる言葉だし、語感もいいしってことでこれに決めました。

マミヤ 今回は戦国時代を舞台にした活劇です。主人公は、信長を相手に回して戦った、戦国最強と謳われた傭兵部隊の長、雑賀孫一。孫一は鉄砲集団雑賀党のリーダーで、誰よりも凄腕の鉄砲使い。そして雑賀党の紋章が「八咫烏」という三本足のカラスだったということで、カラス+銃弾、「カラスバレット」というタイトルにしました。戦国時代とはいえど、ガッチリした時代劇というより、現代風にアレンジした活劇ですので、英語のタイトルを付けました。他にも意味はあるのですが、それは劇場でご覧になって確かめていただきたい、と思います。

Q、メンバーはどんな人達ですか?

大岡 ほぼ私の伝手で集めています。学生時代在籍していた演劇サークルの後輩、以前在籍していた劇団の仲間、客演先で知り合った役者、殺陣道場のメンバー、今の劇団関係者などなど。なんだかんだで20年芝居をやってきた財産ですかね。正直、これだけのメンバーが集まってくれたことには驚いています。俺って人望あったんだなと(笑)

マミヤ 私は初対面の役者さんが多かったのですが、稽古に入ってみると「これはイメージ通り」という方が多くて驚いています。

Q、今回の見所を教えて下さい。

マミヤ 「歴史モノ」の面白さというのは “既に決まっている過去の出来事を、結果を変えずにどう解釈をつけるか” というところだと思っています。今回で言うと、織田信長の時代の話ですから、本能寺の変は起こります。そこで何が起こるか。そして登場人物たちがどう動くか。そこが見所になると思います。あとはマンガ・アニメ・映画といったエンタテイメントの要素が盛りだくさんなので、そこも楽しんで頂きたいですね。芝居という枠にとらわれず書いているので、演出の大岡さんは大変そうですが…

大岡 大変です(笑) ト書きを全部表現したらいったいいくらかかるんだと。まあ、その辺はお客さんの想像力を加えて作れる演劇というメディアの特性を最大限に生かす方向で頑張ります。
 演出として今回目指すのは、ちゃんと中身のあるエンタテイメントですね。エンタテイメント系の芝居って、表現のみに力点を置きがちなんですけど、マンガでもなくアニメでもなく芝居でやる以上、そこに登場する役者たちが舞台上で起こることをリアルタイムで体験し、そこで沸き起こる感情の表現として台詞を言い、行動するという “ナマ” な部分は必須なんですよ。当たり前のことなんですけど、この両立は本当に難しい。今回はそれが出来るメンバーが集まったと思っているので、ここは妥協なく頑張りたいですね。

Q、最後に一言お願いします。

大岡 企画のきっかけになったマミヤとの飲みが確か10月末。こんなに時間をかけて企画した公演は初めてで、その分ここまで妥協なく進めてこられました。ここから先本番までも全力でいい芝居を作るために頑張ります!

マミヤ まだ稽古中ではありますが、少なくともチケット代金以上は楽しめるお芝居になると思います。歴史好きの方々も、そうでない方々も、是非劇場にお越しください。


N E X T S T A G E

マミヤ 「カラスバレット」 実はエピソード4で、カラス9部作すべての構想は完成しているので次はエピソード5かエピソード1を…

大岡 いやいやいやいや、こういうとこで嘘つくなよ(汗)。 「SCRATCH BUILD」 は、後先考えずまずは今やれることを全力でやろうという単発お祭り企画なので団体としての先の予定はありません。でも「よし、もう一回やるか!」ってなる芝居を作りたいですね。やるなら違う話にしますけど(笑) 参加している役者はそれぞれのフィールドで次の予定も決まっているようなので、その辺はホームページを見てください。



SCRATCH BUILD」脚本のマミヤ龍三さんと演出の大岡伸次さん、インタビューありがとうございました!


次回公演

SCRATCH BUILD KARASUBULLET~カラスバレット~

会場:d-倉庫

6/2(木)~6/5(日)

>>>More Infomation

1